「夜コントVOL.17」青柳拓次ライブ

「夜コントVOL.17」青柳拓次ライブ

6月8日、青柳拓次さんを迎えての「夜コント」は、青柳さんのこれまでの音楽の道のりをともに辿るようなライブとなりました。

というのも、「青柳拓次ライブ」と一言で言っても、青柳さんの活動は多岐にわたっています。来年30周年を迎えるLITTLE CREATURESの音楽、青柳拓次名義の歌、ソロユニットKAMA AINAが鳴らす音、詩人としての言葉の朗読……。そのどれもがそれぞれの魅力を持っていて、事前に「あれも聴きたいし、これも聴きたいし」と話していた中で、青柳さんから「だったら、全部やりましょう」との提案をいただきました。
ソロでの演奏ではありましたが、バンドでもあるLITTLE CREATURESの楽曲からは、他の2人のメンバーとともに織り成すサウンドまでも響いてきそうで、英語詞ならでは歌のグルーヴが本当に心地よく、最初にクリーチャーズを聴いた時の衝撃とこの音楽に出会えた喜びが蘇りました。LITTLE CREATURESの曲はとにかく名曲揃い!  青柳さんの歌声の魅力にもあらためて気づかされて、最初から感動。。。
さらに、KAMA AINAのサウンドの気持ちよさに揺れ、青柳拓次名義のアルバム『たであい』『まわしのみ』からの歌は、日本語詞が持つ奥深さと美しさ、そして日本のリズムがメロディとともに心に響き、何度聴いても、懐かしさの中に新しい発見を見いだすような瞬間があることに驚きます。途中、青柳さんが書いた絵本『かがり火』の朗読も。観客席には数名の子供たちもいて、沖縄を舞台としたこの「かがり火」に耳を傾け、言葉から物語を想像していく時間は、語り継ぐ意味を感じさせる貴重な時間となったのではないでしょうか。
青柳さんの音楽から私たちはたくさんのものを受け取ります。この日の「夜コント」の料理は「ソウルフード」をテーマとしました。そのキーワードも青柳さんの音楽から受け取ったものでした。
私たちは青柳さんの音楽を紹介する時にこう書きました。「土地が持っているリズムや風景が織り成す音、時間の流れや生命の動き、心の揺れから生まれるメロディ」と。青柳さんの音楽は、どこか懐かしい故郷を思い浮かべます。それが具体的な場所ではなくてもいい。ただ、どこか懐かしい、還りたいと願う、心焦がれるような場所を思い起こさせるのです。人間にとっての大切なもの。心の栄養となり、生きる力となるようなもの。CONTEの食もまた、そんなふうでありたいと思うのです。
この日のライブは、青柳拓次というアーティストの音楽の幅広さ、多様性、しかしそれらに共通する想いに触れていくことができたと思います。音が、言葉が、リズムが、メロディが、生まれ、繋がり、継がれていく時の煌めきや美しさ、面白さや喜びを、彼の音楽ほど感じさせるものはありません。
そしてあらためて。青柳さんがこれまでつくってきた数々の楽曲、本当に名曲が多いので、もっともっとライブで聴きたいと切に思いました。沖縄で、そんな場所のひとつにCONTEもなれたら、これほど嬉しいことはありません。


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