昨夜は、ハシケンさんとヤギフミトモさんを迎えた「夜コント」でした。普段はそれぞれ活動しているシンガーソングライターですが、それぞれの歌をカバーし合ったりと互いにリスペクトし合う2人。一部はヤギさん、二部はハシケンさんそれぞれのパフォーマンス、そして、アンコールは2人でのセッションという、とても濃厚な時間を堪能することができました。
ヤギさんは奄美大島の民謡「行きゅんにゃ加那」からスタート。ヤギさんの歌声は、高音に伸びる声がなんとも切なさを含んでいて魅力的なのですが、同時に力強く、ブルージーな土の匂いも感じさせます。最近よくやっているという童謡をウチナーグチにして歌うカバー(昨日は「浦島太郎」!)もその声によって完全にオリジナルになっていました。また、新曲も2曲披露。ファーストアルバム『Beyond』収録曲もいい楽曲揃いでしたが、シンガーソングライティングの才能がふつふつと溢れている感じが伝わります。一部最後に歌った「はいぬみかじ」は、その最たる例。楽曲そのものに魂が宿っていて、普遍的な歌というのは、こういう歌のことを言うのだろうと思えました。
第二部のハシケンさんはビートルズの「イエスタデイ」からスタート。そこからぐぐぐっと観客の心を掴み、ともに高みに連れていく様は、さすがとしか言いようのないパフォーマンスでした。一昨年前に発表したベストアルバム『うた』をCONTEでレコーディングしたという経緯もあり、CONTEでの収録曲「テーゲー」と「凛-りん-」も披露。歌が場所に帰っていくような、そんな不思議な感覚にもなり、また、レコーディングを通してCONTEでの空間の響きを充分理解した上で歌われることもあり、前回観た時より、内側から外側へ、心から身体へ、声から空間へ、自在に表現を行き来させてるような凄さがありました。匠の技とでも言うような、自身の歌の世界に入り込ませてくれるのです。特に「レラマカニ」と「美しい島」は圧巻でした。
最後は2人でセッション。
「たまにはふたりで」、だからこそそれぞれの個性が際立った、いい時間でした。
来場いただいたお客様、ありがとうございました。
食事と音楽、そしてお酒を飲みながら、ともに時間を楽めたらとはじめた「夜コント」、昨日のライブで15回目でした。様々な音楽家を迎えていますが、それぞれの夜にその時しか体験できない素晴らしさがあって、一期一会、かけがえのないイベントだと感じています。