「宇宙遊園地」というテーマを掲げたDois:Pontosのライブ。高雄飛さんは、ピアノとキーボード、ギター、その他もろもろの楽器をコックピットのように設置し、そこからあらゆる音を生み出し、また、その隣で、自由に、エマさんのフルート、そしてサックスの音色が響き渡る、そんなステージとなりました。
楽曲は、ブラジル音楽、アルゼンチンの作曲家たちの音楽を中心にし、沖縄に移住してから生まれたというオリジナルの新曲も多く披露。いったいこの時間だけで幾つの音色、リズム、言葉を聴いただろうと思うほどに、細やかで、繊細、しかも、楽しくて、賑やかで、それをひとつの自分たちの世界として表現していくプロフェッショナルなエンターテインメントにワクワクしっぱなしでした。
また、この日のために、テーマ曲「宇宙遊園地」を作曲してきた雄飛さん。実験的かつ即興的な要素も含む楽曲で、お客さんをステージに上げて、一緒にメロディを奏でたり、また、2人は自宅から音の鳴る様々な楽器をたくさん持参してくれたのですが、それをお客さんに配って一緒に音を鳴らし、ともに音楽の宇宙を作っていくという試みもとても楽しかったです。
さらに、石川県出身の雄飛さんは、能登半島地震のニュースを受け、音楽家として故郷への想いを一曲に託した歌を披露。お客さんもその歌の心に寄り添い、じっと聴き入りました。
最後は、彼らのホームでもあるPINO’S PLACEが40周年を迎えるとのことで、ジャズのスタンダード曲を、エモーショナルに歌い上げ、圧巻のラスト。
Dois:Pontosの音楽表現は、より自由に向かう音への探究心と、人々の喜びや悲しみとともに寄り添う歌の心を自分たちのオリジナルとして昇華していこうという意欲があります。結成5周年、まだまだ多くの可能性を秘める「Dois:Pontosの今」を存分に堪能できたライブでした。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。
そうそう、彼らはこれから、子どもたちと音を一緒に作り出していくような演奏会もやっていきたいそう。音を作る楽しさ、音を奏でる楽しさ。CONTEでもそんなワークショップをできたら面白いなあと思っています。その時はまたぜひ!