先日、2/18には、mama!milkの冬の演奏会を開催しました。
mama!milkの音が響くことをイメージして、店内を暗くし、咲き誇る花々、観葉植物たち、そしてドライフラワーを織り交ぜながら配置してステージを作りました。というのも、オープンしたての時に、CONTEでの初めてのライブがmama!milkで、オープン祝いでいただいた花々が枯れゆく時、観葉植物の緑と織り混ざっていて、それを見た生駒祐子さんが、「生きている緑と枯れゆくものが一緒にあるのがとても美しい」と言った、その言葉がずっと残っていたのです。
そして迎えたこの日、薄暗い中、植物と光の中に2人がいて、音を鳴らした時、そっと身体中が包まれるような、そして内側に染み込んでいくような、これまでとは違う響きに、ああ、これはまた特別な夜になる、と確信したのでした。
ステージには、清水恒輔さんひとり。コントラバスのボディを、トン、トン、トン、トン、と、ノックすると、客席の後ろから、光のような鈴の音と、深く深呼吸するようなアコーディオンの響き。祐子さんはステージへと歩みを進め、それぞれの音の気配を感じながら、音がひとつに重なっていく様は、あまりにも美しい物語の始まりとなりました。
観客も息を飲み、2人が奏でる旋律に耳を傾け、その音の波の中でともにたゆたう時間。曲は「Portlano」。航海案内書。ここから海を渡り、夜を越えて、光の場所へ、清らかな水の湧き出るところへ、曲順がそのまま、ひとつのかけがえのないストーリーとなっていく。その中で、何度も琴線に触れる瞬間があって、不思議ですね、音楽で心は自由に旅しながらも、それぞれ自らの胸の奥にある言葉にならない感情に生々しく触れていくんですよね。だからグッとくるんです。これは、ライブの体験でしかやはり味わえない、尊さだと思います。そして、年々、mama!milkの音楽が、より大切なものになっていくと感じています。
この日のためのスペシャルプレートは、彼らの「Vanilla」という曲にインスパイアされて産まれた、CONTEの定番メニュー、ヴァニラの甘い香りを纏う豚のローストをメインに、もうひとつ、鶏肉と赤パプリカのトマトの煮込みを一緒にお出ししました。実はこれも、彼らの音楽から受けた、内側に宿る、静かなる情熱をイメージしたものです。複雑に絡み合う深い味わい。そして情熱の赤。この煮込み料理もまた、CONTEにとって大切な一皿になりそうな予感がしています。
また、こんな夜を重ねていけたらと。
