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やんばる(沖縄県北部)に工房をかまえる紺野乃芙子さん
紺野さんの器からは、いつも、生命の本質を揺さぶられるような内側からのエネルギーを感じます。流行りからはほど遠く、ゴツゴツとした、ザワザワとした、土の中の温かさや匂い、森のざわめきや海に吹く風の音、水の流れ落ちる音に、懐かしさを感じるような、そういう土着の感覚を思い出します。
紺野さんは、やんばるに暮らしながら、「ここにいい土があるよ」と聞けば、自ら現場まで向かい土を掘りに行き、その土で作陶しています。それは「やんばるの土」であると同時に、「地球そのもの」に触れ続ける行為です。だからか、紺野の作品には、原初的な力強さと包み込むようなおおらかさが同居しているのだと思うのです。
その上で何を表現するのかによって、モダンにも洗練された作品にもなるわけですが、その中心にあるものは、土の中から生まれ、そして還る、古代から現代をつなぐ普遍性だと思います。
そんな紺野さんの器には、生き生きとした沖縄の食材を使った
紺野さんの器は、シリーズごとでいろんな表情がありますので、その時々、出会いを大切にしてもらえたら。それが作家の器との出会いの楽しさでもありますから。