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CONTEがオープンしてすぐの頃、「陶・よかりよ」さんで初めての木村容二郎さんの展示会を見た時、まだ何者でもない、だけど、この人しか作り得ない確かな力が宿っている器の、なんとも言えない魅力に惹かれました。
それ以来、CONTEでは、木村さんの器をデザート皿や煮込みの器として使っていますが、日々の営業の中で美味しいを生み出してくれる木村さんの器の存在はとても頼もしく、お客様にも手に触れてもらうことで、その器が持つ温もりも感じてもらえていることを実感しています。
沖縄県立芸術大学で陶芸を学んだ木村さんは、作家として独立されてから、同大学で教員をされていた時期もあります。今、CONTEでお取り扱いしている「fired」シリーズは、木村さんが母校の登り窯で焼いた作品たち。その名の通り、薪が焼ける音や、窯からの熱気が、そのまま宿ったような力強い作品となっています。登り窯で長い時間をかけて焼くことで、土から鉄が引き出されるため、表面には独特の色合いやテクスチャーが現れています。また、薪の作用で釉化が進むことで、しっとりとした艶もあって、一枚一枚、個性の強い作品となっています。
首里の登り窯で生まれた作品がCONTEに並ぶことにも、嬉しい縁を感じています。