連なるピレネー山脈、吹き抜ける風が運ぶ土の薫り、地脈から豊かに湧く水、大きく育った瑞々しい草木ーー。
2023年、写真家の野村恵子さんは、アーティスト・レジデンスで訪れたスペイン北東部のアラゴン州で、イスラエルとバスクから来たアーティストと40日間寝食をともにしました。そして、今年、そこで撮影した作品を一冊の大きなアートブック「Naked Flowers」として結実させました。
届いたアートブックを一枚一枚開くと、目に飛び込んでくる降り注ぐような優しい光と鮮やかな色彩がほんとうに美しく、そして、その土地の土や水に触れながら、自然のエネルギーと共鳴し、生き生きと命を発光させて生きる人間の野生に、なにかかけがえのないものを受け取ります。野村さんはこの作品を「Naked Flowers」と名付けていますが、このタイトルには、人が自然とともに生きる時の、根源的な喜びが見えてくるような気がするのです。
そしてそれは、土着に触れながら暮らす沖縄の人々や、野村さんが撮る沖縄の強い光や彩り溢れる風景にも重なりました。
「Naked Flowers」に込められたもの。そこに想いを寄せながら、この9月17日から野村恵子写真展をCONTEで開催します。
副題にある「Where Okinawa and Spain come together in harmony」のように、スペイン・アラゴン州で撮影された作品と、そして、野村さんが現在暮らし日常の中で捉えた沖縄での作品を織り交ぜて、ひとつの空間を作っていく写真展となります。
しかしなぜ、写真展をギャラリーではなく飲食店で？ その答えもまた、アートブックの中にあります。
野村さんは40日間のアーティストレジデンスの間、ともに暮らした3人と、その土地のものを使って毎日手料理をしていたと言います。その一人が作ったバスク料理は絶品で、アートブックの中にはその料理の写真とともに、3人で食卓を囲んだ時のことが、温かな瞬間として記されています。
野村さんが、今回、食のある空間で写真を展示したいという想いはここから生まれました。だから、期間中も通常通り、ランチ営業を行います。その土地の食材を使った料理を食べながら、野村さんが捉えた沖縄の自然やスペイン北東部の自然と繋がっていく、そんな時間になったらと思っています。
そして写真展最終日の9月22日（日）は、夕方より、野村さんのトークショー＆CONTEの妄想バスク料理の夜を開催します。
今回の展示にまつわる写真のこと、そのテーマなどについてもお話しいただき、その後、参加されたみなさんと、沖縄の食材を使った、妄想バスク料理で、ともに食卓を囲めたらと思うのです。
食事はブッフェ形式でお出しします。お席に限りがありますので、お早めにご予約ください。
＜野村恵子プロフィール＞
兵庫県神戸市生まれ。母方の祖父母が沖縄出身。大阪ビジュアルアーツ専門学校卒業後、渡米し、LA、Santa Feにて写真を学ぶ。帰国後の1996年より写真家として本格的に活動を開始。1999年沖縄をテーマとした写真集『DEEP SOUTH』を発表。同作品にて、日本写真協会新人賞受賞、2001年東川賞新人作家賞受賞。2019年発表の『Otari-Pristine Peaks 山霊の庭』では林忠彦写真賞を受賞。国内外で個展やグループ展を多数行い、2022年にはポーランドより写真集『Melody of Light』を発表。最新作は、今回展示する、スペインで撮影した作品をまとめた大判のアートブック『Naked Flowers』となる。
野村恵子写真展
「Naked Flowers〜Where Okinawa and Spain come together in harmony」
2024年9月17日（火）〜22日（日）
11:00〜17:00 （水曜定休日）
入場無料
＊期間中はランチ営業も通常通り行います（16:00ラストオーダー）。最終日22日（日）のみ、14:00ラストオーダー、15:00閉店とさせていただきます。
＜関連イベント＞
野村恵子トークショー＆CONTEの妄想バスク料理の夜
9月22日（日）
17:00 開場
18:00 トークショー（40分ほど）
その後、食事会（21:00閉店）
○参加費（トーク＆料理）：3000円
＊別途 1ドリンク、オーダーをお願いします。
○参加方法
ご予約は、CONTE店頭、お電話、メールにてお申し込みください。
Tel：098-943-6239 また、E-mailによるご予約はconteokinawa@gmail.comまで、以下を記入の上、お申し込みください。お電話は営業時間内にお願いします。
1.件名 : 野村恵子トーク&食事会
2.お名前（代表者のフルネームをカタカナを添えて）
3.お電話番号
4.ご予約人数、またはお問い合わせ内容