CONTE

熊谷和徳スペシャルライブ guest.堀内加奈子、SAM

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8月5日、タップダンサー・熊谷和徳さんを迎えてスペシャルライブを行いました。熊谷さんの沖縄でのソロライブは一昨年のカフェユニゾン、昨年の桜坂劇場ホールBに続いて今回で3回目で、CONTEでのライブはその中でももっともミニマムなセットでのライブとなりました。それゆえ、世界を舞台に活躍するタップダンサーのパフォーマンスを、どこよりも間近で、これほどに臨場感溢れる形でお届けできたことを、とても嬉しく思っています。

一枚の板に熊谷さんが立って、そこからリズムが、感情が、風景が動き出す数々の瞬間、何度鳥肌が立ったでしょうか。熊谷さんのタップは五感に響き、そして何より心に響きます。後半、タップの歴史を振り返るように、これまで彼が影響を受けて来たタップダンサーたちが生み出したステップをひとつひとつ踏み、どのようにタップが今の形になってきたのか、ファンク、ロック、ジャズのリズムとどう関わって来たのか、それらを体現して見せてくれました。

以前、熊谷さんが言っていた言葉があります。
「僕が踊ってきているタップは、彼らが残してきた一部だと思っているんです」
先達への多大なる敬意を語りながら、そんな偉大な先輩たちから受け継いできたことは、タップとは、自身の人生を重ね、その人にしか出すことのできないリズムを刻むということだったのだろうと思います。
まさしく熊谷さんのタップの中には、これまでの歴史を包含していながらも、やはり、いま、熊谷さんにしか表現できないものとなっていたからです。

さらには、今回、ゲストとして沖縄民謡の唄者・堀内加奈子さんを迎え、「かぎやで風」とタップのセッション、そして、「アメイジンググレイス」のウチナーグチバージョンのアカペラとタップとのセッションなど、ここでしか体験できないものを生もうとする表現者たちの力を思う存分感じ得ることができました。
さらには、ニューヨーク時代のタップの仲間で、現在沖縄在住のタップダンサー、SAMさんを迎えての2人のコラボレーションも披露され、それぞれのステップ、それが重なる時のその迫力に圧倒されました。

熊谷さんはこの沖縄を、タップが生まれたルーツとなるアフリカ・セネガルのゴレ島に重ね、こう言いました。
「どちらも、美しさの中にブルースがあるんです。それこそ、音楽やダンスが生まれる理由だと思うんです」
タップが生まれた背景には、アフリカからの奴隷制度の悲しい歴史があります。沖縄もまた、様々な悲しみを抱えた島。だからこそ、これほどにも力強く響くリズムや美しい唄が生まれた、ということ。そういう意味でも、沖縄でしか味わえない時間が、確かに、この日、ここにあったと思います。それはとても美しくてエモーショナルで、忘れがたい時間でした。